PMSとは?生理前にイライラしてしまうのはなぜ?

PMSとは?生理前にイライラしてしまうのはなぜ?

Column

生理前に理由がなくてもイライラしてしまったり悲しくなってしまったり・・・

今回はこのPMSといわれる月経前症候群について深堀します。

改善方法をご参考に少しでも症状が軽くなりますと幸いです。

■PMS(月経前症候群)とは?

生理前症候群(Premenstrual Syndrome、PMS)は、月経(生理)が始まる約3~10日前に現れる身体的および精神的な症状の集まりです。これらの症状は、月経開始とともに通常は軽減または消失します。症状は軽度から、日常生活に支障をきたすほど重度まで幅広くあります。身体的な症状には、下腹部痛、頭痛、腰痛、乳房の痛み、脚のむくみや体重増加などがあり、精神的な症状にはイライラ感、抑うつ、不安・緊張感、易疲労感、不眠、無気力、判断力の低下などが含まれます。

■生理前に食欲が増幅するのはなぜ?

PMSの症状の一つである生理前に食欲が増加する現象は、ホルモンバランスの変化によるものと考えられています。特に、「プロゲステロン」という女性ホルモンの増加が主な原因で、このホルモンは妊娠を支える重要な役割を果たしますが、食欲を増加させる効果もあります。また、エストロゲンの減少も関連しており、これらのホルモン変動は、生理前の約14日前から始まり、食欲増進、むくみ、眠気、イライラなどの症状を引き起こすことがあります。食欲のコントロール方法としては、噛む回数を増やす、食べる順番を工夫する、栄養価の高い間食を摂るなどが挙げられます。

■PMSになりやすい人

PMS(月経前症候群)になりやすい人の特徴として、ストレスが大きな要因となっています。ストレスはプロゲステロンの減少を引き起こし、セロトニンの働きを阻害することで、PMSの症状を悪化させる可能性があります。また、タバコやアルコール、カフェインの過剰摂取もPMSを悪化させる原因とされています。生活習慣の改善点としては、バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、そしてストレスを溜め込まないことが挙げられます。

・PMSのなかでもPMDD(月経前不快気分障害)について

PMDDは、PMSよりも重い症状を示す月経前不快気分障害のことです。PMDDを持つ女性は、非常に強い感情の波や、日常生活に支障をきたすほどの症状に悩まされることがあります。

・PMSとPMDDの違い

PMSとPMDDの主な違いは、症状の重さと、日常生活への影響の度合いです。PMDDでは、PMSよりも深刻な感情の波や、集中力の低下、仕事や学校でのパフォーマンスの低下などが見られます。

■PMDDの症状

PMDDの症状は、月経の約1週間前に始まり、月経開始後数日で終わることが一般的です。主な症状には、急激な気分の変動、イライラ、絶望感、不安、集中力の低下、食欲の変化、睡眠困難、腫れや体重増加などがあります。また、うつ病や不安障害など他の医療状態と間違えられることもあるため、正確な診断が重要です。

■PMDDになりやすい人

自分に厳しく責任感が強い、気配りができる几帳面な性格の方は、ストレスを溜め込みやすくPMDDになりやすい傾向があるでしょう。 また、喫煙や飲酒の習慣、仕事や家庭内のストレスもPMDDの引き金となる場合があります。

■PMS・PMDDで悩んでいる人の割合

PMSで悩む女性は多く、成人女性の約75%が何らかのPMSの症状を経験しています。さらに、その中でPMDDの診断を受ける女性は約5-8%とされています。

■PMS・PMDDの対処法

PMSやPMDDの症状を和らげるためには、バランスの取れた食事を心がけることが基本で、特に血糖値を急激に上げる食品を避け、ゆるやかに血糖値を上げる食品を摂取することが推奨されています。また、カフェインを含む飲み物を避け、ビタミンB6、カルシウム、マグネシウムを含む食品を摂ることで、情緒不安定を和らげる効果が期待できます。イソフラボンを含む食品やビタミンEを摂取することも有効です。利尿作用のある食事を摂ることで、むくみを防ぎ、PMSの症状を緩和することができます。

運動に関しては、軽いストレッチやヨガ、散歩などが推奨されており、これらは血流を促進し、PMSの軽減に繋がります。特にストレッチは、身体の緊張をほぐし、肩こりや腰痛などの症状を悪化させることを防ぐ効果があります。また、深呼吸を取り入れることで、精神的なリラックス効果も得られます。

■まとめ

PMSやPMDDは多くの女性が経験するもので、日常生活に影響を与えることがあります。しかし、適切な知識と対処法を知ることで、症状を管理しやすくなります。医薬品による対処も一つの方法であり、市販の鎮痛薬や吐き気止めなどで対処することもできますが、症状が改善しない場合は医師の診療を受けることをおすすめします。治療法としては、ライフスタイルの変更、薬物療法、カウンセリング、認知行動療法などがあり、症状や個人の状況に応じて適切な治療が選択されます。生理前の辛い時期、ご自身の体を大切に扱い、無理をせずに必要な休息を取ることが重要です。

■さいごに

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